GPS、Jupiter、GHS、PIC

LCD表示装置の制作

GHS時計
 2000年に入ってタイミング良く、GHS時計(Geshiro-Hayami-Soma)と呼ばれるCPLDを使ったGPS_タイミング信号発生装置が発表され、さっそく友の会の星食担当の井田三良さんを通じてGHS時計のLSIを入手。それ以前にGPS受信機「ジュピター」も入手していて、とりあえずこれで簡単な工作で標準時報の取得ができることになりました。
 この装置は少ない外付け部品と簡単な電子工作で、これまでのJJYの時報発信が実現できます。またLEDによる発光を同時にビデオ画面等に挿入すればかなり信頼のできる時刻の測定が可能になっています。しかしこの装置単体では分のリセットは他の時報を参考に押さないとだめだったり、せっかく時刻、位置情報を取れるGPSを使っているのに少々もったいなく思い、下記の簡単な工作で実現できるLCD表示装置の制作を思い立ちました。
 現在は初期のGHS−1は無くなって、GHS−2が入手できるようです。大きくは違っていませんが、別のGHS−3と組み合わせることによって、カソードコモン等に秒表示ができるようになっています。

LCD表示装置の制作
 位置や時刻の表示には、PIC (Peripheral Interface Controller:周辺機器接続制御用IC) を使っています。最近PICを使った電子工作がずいぶん多く出回っていて、いろいろHPを見て回っていると、RS−232Cのデータロガー等が公表されています。カーナビのHPでもいくつかこのPICが使われていて、なかなか使えそうなICです。
 この装置の主な部品はLCD SC1602BS(¥900)、PIC16F84(¥350)、ADM232A(Max232互換¥250)他に少量の抵抗などです。PICの詳しい内容に付いては、他のHPを参考にしてください。最初はPICライターを待っていなかったので、友人に書き込んでもらいましたが、だんだん面倒になったので秋月のPICプログラマーキット(¥5700)を購入しました。アセンブラプログラムをこのライターに付属のPA.exeでアセンブルし、PICPGMでPICに書き込みます。ただし秋月のアセンブラは拡張インストラクションが設定されていますから他のライターでは、プログラムをかなり書き直さなくてはいけません。
 PICアセンブラ自体は大変簡単な35種類のニーモニックの組合わせでできています。初めての人でもすこし勉強すれば、使いこなせると思います。

今回制作したGPS時計表示、スーパーインポーズ、音声発生装置基盤全景です。JupiterGPSユニットはスピーカーのすぐ下にあります。はじめのころは、スーパーインポーズ基盤のところに単3電池8本を入れていたのですが、外部電源に変えました。またスピーカーの奥には、JJY音声発生用のアンプが隠れています。ほぼ中央にCPLDを使ったGHS時計用LSIがあります。

GPSデータ表示部、GHS時計から付け加えた基盤です。使っているICはPIC16F84、ADM232(MAX232互換)だけです。PICは周辺部品もかなり少なくできて、LCDなどの表示にはもってこいの部品です。LCDは2行16桁の一番安いタイプのものを使っています。

LCDで表示している時間情報、時:分:秒のデータを、ビデオ出力にスーパーインポーズします。ホームビデオカメラのような一体型のものには使えません。カメラとビデオデッキの映像信号線の中間に置いて使用します。中央にあるLSIがμPD6454です。SOPのピン配列ですが、ピッチが1.27インチなのではんだ付けはJupiterのコネクターよりははるかにやりやすいです。

このGPS時計の回路図です。JPGで168Kbあります。
GHS_LSIの回路からスーパーインポーズ分まですべての回路が含まれています。LCD、PIC、レベルコンバーターの回路に圧電ブザー等を使って、もっと簡易型のものも簡単に作れます。

Jupiter_GPS.asm
この回路に使ったPIC16F84のプログラムソースです。
秋月PIC PA.EXE専用です。他のライターではかなりの部分を書き換えないといけません。もう少しましなプログラムが作れればいいのですが、簡単とはいえ初めてのアセンブラでもう少し勉強したいところです。

PIC関連のリンク

電子工作の実験室
初心者から中級者まで読み応えのあるPICやラジコン、電子工作に関するHPです。いろいろ参考にさせてもらっています。
http://www.picfun.com/

PIC入門
http://www4.justnet.ne.jp/~sei.inoue/pic.htm

ELECTRONICS SHELVES
PICの作品集やサブルーチン集、秋月アセンブラで書かれた部分も多いため、かなり参考になりました。
http://www.sikasenbey.or.jp/~enaga/index.html

JS1RSV
ここにあるGM-38GPSのデータディスプレイは、この装置の元になったものです。
http://www.ne.jp/asahi/ham/js1rsv/

秋月電子通商通販部
PICライター、PICなどのデバイスをほとんど通販で手に入れました。
http://www.akizuki.ne.jp/

エレ工房さくらい
抵抗やコンデンサなどの部品を少量から送っていただけます。
http://www.interq.or.jp/www-user/ecw/

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