本章は、バブル景気が崩壊、日本経済が国際化、高度情報化、ソフト化の波にもまれながら、新しいパラダイムをもとめて漂流し始めた1989年(平成元)から5年間の経営活動についてとりあげている。
 創立70周年の翌年、副社長の坂部三司が社長に就任した。新社長のもとで10年後の新世紀を見すえた経営改革がはじまった。「環境に関する基本方針」が明示され、創業以来深く関わってきた「メディア」に加えて、「環境」が経営目的のひとつに掲げられた。リサイクル事業への進出、環境対応商品の開発など、新しい視点から社業の拡充が精力的に進められた。
 前期にひきつづいて、コンピュータリボンと接着芯地に関して、重点的に海外拠点づくりが進められ、国内、海外にこだわらないボーダレスの生産・販売体制の構築が始まった。これらが、やがてグループ経営新時代へと導いてゆくのである。

維     新 (1989〜1994)

 タイトル 掲載内容
▽「激変」の始まり  東西冷戦構造の終結/バブルの崩壊/平成不況/政治の混迷深まる
▽坂部三司の社長就任 会長・坂部三次郎、社長・坂部三司/重点開発で1,000億円企業へ/当社のあるべき姿
▽激変時代への対応 足腰構造の強化をめざす/簡素化と市場指向/組織のスリム化/営業部門の強化
▽雇用多様化時代の新制度  新定年制度の発足/職群制度の導入/海外技術指導員制度が誕生
▽技術力にかける DPSからTPMへ/ダイニック技術大学校の開設
▽環境調和型の新技術・新事業 環境問題とダイニック/カーペットのリサイクルシステム/壁紙のリサイクルシステム/抗菌加工製品の開発
▽エンドユーザー向けシステム商品の登場 ミスターメイシマンの開発/名刺・プリントシステムの全国展開/熱転写リボンでマーケット拡大
▽多彩にひろがる複合商品 環境にやさしいクロス素材/量販型の紙クロス製品が充実/多用途印刷素材「シータス」/塩ビ床材に新タイプ/高機能に向かう接着芯地/不織布の多様化
▽FA化、ライン化が急ピッチ FA化をめざして設備増強……滋賀工場/大型設備投資で新事業へ……深谷工場
▽グループの新しい戦略 ソフト化指向とグローバル化/ニック産業の上場/ソフト化指向のニュービジネスへ/イギリス、中国へ工場進出/台湾科楽史新工場へ
▽天文公園・アストロパーク天究館 ファクトリリーパークをめざす/天文国際大会が開催される
 

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