昭和恐慌のころから、戦時の影響が企業活動のうえにも影を落とし始める1939年(昭和14)までの10年間の経営を対象にしている。
 前半の5年間は創業以来の初めての経営危機に遭遇、徹底した合理化策で耐えぬいた。後半の5年間は戦時の物資統制できびしい制限を受けるのだが、輸出、官需、軍需に支えられて順調に社業拡大を果たした。
 とくに注目されるのは、戦時色が強まる時期にもかかわらず、むしろ積極的な経営が進められたことである。ドイツからの技術導入による油布生産への進出など、社運をかけた新事業を展開、新工場の建設、新設備の導入も次つぎに実行された。創立20年にして、クロス・メーカーとしての企業基盤は完成されたということができる。

試    練   (1929〜1939)

 タイトル 掲載内容
∇最初の苦難  世界的な経済危機/試練の5年間/新製品で販路拡大/染色加工に転機
▽戦時下に事業拡大 経済統制の時代/輸出と需要、官需/社運をかけた新事業/京都東工場、油布工場の新設/創立20周年を迎える
▽油布部門へ進出 ドイツから技術導入/オイルクロス、オイルシルク/硝化綿塗料とレザー製品
▽新製品で多様化 活発な試製品開発―クロス/特殊技術をみがく―染色加工
 

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