戦後の経済復興が本格化する1949年(昭和24)から高度成長の始まる1959年(昭和34)までの10年間は、日本クロスが最も急成長をとげた時期であった。
 戦時規制によって別個の事業体になっていた開南染工化学、大和クロス、九州クロスを順次に吸収合併、それぞれ染工部東工場、東京工場、福岡工場とするなど、企業規模の整備・拡大に向かっている。
 業容の拡大も積極的に進められた。なかでもビニール、不織布部門への進出は総合クロスメーカーとしての道筋を開き、現在にいたるダイニックのフレームワークを築いたといえる。
 東京工場の新築も、将来を見すえた経営エネルギーの発露が顕著であり、近代的な設備による同工場は本社工場とならぶ主力工場として、高度成長期の躍進を担ってゆくことになる。

飛    躍 (1949〜1959)

 タイトル 掲載内容
▽復興から成長へ  特需で景気好転/近代化と技術革新/消費革命の時代
▽活発な事業展開 株式上場/クロスの総合メーカーへ/創業者・坂部三次の死去、渡部一郎の社長就任
▽三工場体制へ 京都東工場の復活/東京工場、福岡工場の誕生/工場中心のタテ割り組織/三豊クロスの設立
▽クロス製品の多様化 クロスによる戦後初の書籍/全集ブームとアートベラム/ペーパーバックスと紙クロス/新時代の教科書用クロス
▽ビニール分野へ進出 時代の新素材で新市場へ/PVCコーティングの導入/独自の技術開発/多様な製品展開
▽国産初の不織布 新素材・不織布/独自開発にこだわる/織らない織物・パネロン
▽アセテートの染色加工 染工部の転機/国内屈指のアセテート染色工場
▽東京工場の新築・移転 紙クロスブームと東京工場/近代的な新鋭工場
 

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